文五郎倉庫について

文五郎倉庫

代表:奥田文悟(5代目)

監修:松井利夫(番頭)

信楽の小高い丘の坂道を登りつめると文五郎窯があります。この丘の上に窯が開かれ何世代にもわたり日用の雑器が焼かれてきました。食器はもとより甕や火消し壺、火鉢、植木鉢から風呂桶などこの窯場で焼かれてきたものを通してみると、わたしたちの生活環境の変化に気づきます。それがこの窯場から見えてくる風景です。

芸術が個人の主張で世界を閉じて行くなか、この窯場のものは使い手の側に寄り添い、日常に美を生みだす助けとなってきました。芸術とは美を主張するものではなく美を発見する技術だったということに立ち返り、そこから世界を読み解くなら、野良から産まれる野菜も味噌も蜂蜜もりっぱな芸術品です。そんな野良の芸術と作品を合わせて一つの「作物」として展開しようと古い倉庫を改修し文五郎倉庫が生まれました。この小さな倉庫が交点となり信楽の人々と訪れる人々をつなぎ新しい信楽のかたちが生まれてくることを願っています。

番頭 松井利夫